
PHPの脆弱性「PHP2Shell」を使った攻撃で、ファイアウォールが侵害された、という報道が、2026年10月29日に出ました。事実です。Palo Alto自身も、同じ日に、悪用を確認したと更新しています。
ただ、見出しや要約と、原文を並べると、合わない点がありました。この記事は、その点を、一次情報で確認して整理したものです。情報は、2026年10月29日の時点のものです。
日本語で出回っている情報には、原文と異なる訳や要約が、かなり見受けられます。この記事は、一次情報を私たちも原文で確認して書いていますが、読者の皆さんも、各社の原文でのご確認をお勧めします。
ある報道の見出しは、「日本含む4カ国のサーバ25台が侵害」という趣旨でした。Dreamの報告では、米国、日本、台湾、韓国は、攻撃者が標的にした240台の国です。侵害された25台が、4カ国に分かれていたかは、私が確認した範囲では、原文に書かれていません。
数の出どころも、違います。25台という数は、Dreamの報告のものです。JPCERT/CCの注意喚起には、製品名も台数も書かれていません。参考情報として、Dreamの記事の題名が挙げられているだけです(JPCERT/CC)。
Palo Altoの説明では、影響を受けたのは、インターネットに公開された管理画面を持つ機器で、導入台数の約0.02%です。該当のお客様には、個別に連絡した、とのことです。管理画面は、初期設定では公開されません(Unit 42の脅威情報)。この数字は、Palo Altoの説明で、独立した検証はありません。
一方で、「12.1と12.2だけが危ない」と読むのも、間違いです。Dreamは、標的が12.1と12.2だった、と書いています。Palo Altoの脆弱性情報では、10.2から12.2までが、修正の対象です(Palo Altoの脆弱性情報)。
Dreamは、AIが書いた直接の証拠はない、と書いています。コードの作りから、AIの支援がありそうだ、という見方を示しているだけです。
Unit 42は、10月23日に、AIを使った攻撃後の活動の詳細を追記しましたが、25日に取り消しました。欧州の政府機関での侵害が、PHP2ShellのCVEと結びつくことを、確認できなかったためです(Unit 42の脅威情報)。
CVE-2026-46300は、今回、新しく見つかった欠陥ではありません。5月には、すでに公表されており、悪用されているという解説も出ていました(Qualys)。10月28日に動いたのは、CISAのKEVへの登録です。
この1週間だけでも、Sophosが、10月23日に、成功した悪用の報告を、同日に訂正しました(Sophos)。Unit 42も、上に書いたように、取り消しを出しています。報道が引いた時点の原文と、今の原文が、すでに違うことがあります。
PAN-OSを使っていない場合、この件の直接の対象ではありません。使っている場合は、次の順です。
/unauth/php/change_password.phpというウェブシェルと、/usr/local/lib/.panops/というディレクトリを、挙げています(Dream)。PHPを自社で動かしている場合は、PHPの更新がまだの人へに、確認の手順をまとめています。技術的な詳細は、エンジニア向けのまとめです。
数字を見たら、誰の数字かを確認してください。見出しの数字が、報告者の数字か、公的機関の数字か、報道が足した数字か、で重みが変わります。原文の更新日も、確認してください。注記の欄に、「分かっていないこと」が書かれていることが、よくあります。
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