October 30, 2026

アメリカでサイバーセキュリティの資格を取る道筋――段階ごとの試験と、受験料・学習費用(2026年10月⁠時⁠点⁠)

この記事は、アメリカ国内で、サイバーセキュリティの資格を取ることを前提にしています。日本での受験は、対象外です。金額は、すべて米ドルで、2026年10月30日に、各団体の公式ページを、私たちが確認した時点のものです。税と為替は、含みません。価格は、予告なく変わり⁠ま⁠す⁠。

「何から取ればよいか」「いくらかかるか」を、入門、実務で広げる、上級・専門の3段階に分けて、並べました。資格を取れば就職できる、という話は、していません。出典は、各記述のそばに付けています。合計金額は、公式ページの価格を、私が足した算出⁠で⁠す⁠。

要点

  • 受験料だけなら、入門は199〜439ドル、中級は249〜1,199ドル、上級は544〜1,699ドル⁠で⁠す⁠。
  • 学習費用は、無料から約8,800ドルまで、大きく開きます。無料の動画だけで受ける人もいれば、1つの講座が8,780ドルのものもあります(SANSのSEC401。試験は別料金で⁠す⁠)⁠。
  • 受験料のあとに、維持費がかかります。CompTIAは3年ごとに150ドル、ISC2のCISSPは毎年135ドル、ISACAは毎年45ドル(会員)か85ドル、GIACは4年ごとに499ドル⁠で⁠す⁠。
  • CompTIA Security+は、新しい版(V8)が、11月17日ごろに出ます。 現行のV7の英語版は、2027年6月11日に終わります。V8の受験料は、確認できていま⁠せ⁠ん⁠。
  • アメリカならではの制度が、3つあります。国防総省の仕事に関わる資格の決まり(DoD 8140)、退役軍人向けのGI Billによる受験料の払い戻し(1回の試験で2,000ドルまで)、アメリカの学生向けの、CompTIAの割引(35〜55%)⁠で⁠す⁠。

3段階の⁠全⁠体⁠像

順番は、各団体の公式ページにある「推奨」を、並べたものです。必須の順番ではありま⁠せ⁠ん⁠。

段階 資格 受験料(米ドル) 経験の条件・目安 維持費
入門 ISC2 CC 199 実務経験は不要 年会費50(CCのみの場合)
入門 Google Cybersecurity Professional Certificate 試験料なし(月額49) 学習コースで、試験会場での試験はない なし
入門 CompTIA Security+ 439 推奨は、Network+と、セキュリティかシステム管理の2年の経験(必須ではない) 3年ごとに150、50 CEU
中級 ISC2 SSCP 249 1年 年会費135
中級 CompTIA CySA+(V4) 439 推奨は、SOCか脆弱性分析で約4年 3年ごとに150、60 CEU
中級 CompTIA PenTest+ 439 推奨は、侵入テストの職務で3〜4年 3年ごとに150、60 CEU
中級 TCM Security PNPT 499(受験券と学習教材のセット) 記載なし 有効期限なし(公式ページ)
中級 EC-Council CEH 950(オンライン)、1,199(Pearson VUE会場) ITセキュリティの2年か、公式トレーニングの受講 確認できていません
中級 GIAC GSEC 999 確認したページに、条件の記載なし 4年ごとに499、36 CPE
上級 CompTIA SecurityX 544 推奨は、IT経験10年(うちセキュリティ5年) 3年ごとに150、75 CEU
上級 ISACA CISM 会員575、非会員760(別に、申請料50) 5年の実務経験(4領域のうち3領域以上) 年45(会員)、85
上級 ISC2 CISSP 749 5年(8領域のうち2領域以上)。学位などで、1年分まで代替できる 年会費135
上級 ISC2 CCSP 599 5年 年会費135
上級 OffSec OSCP+ 1,699(試験のみ) 公式の必須条件なし OSCP+は3年で失効(継続教育で延長)

(維持費の出典は、CompTIAの更新料、ISC2の年会費、ISACA、GIACの更新です。CISM、SSCP、CCSPの経験の条件は、各団体の案内ページにより⁠ま⁠す⁠)

段階1⁠:⁠入⁠門

実務経験がなくても受けられるのは、次の3つ⁠で⁠す⁠。

  • ISC2 CC(199ドル):実務経験が不要です。入門の資格で、試験は2時間までと、公式ページにあり⁠ま⁠す⁠。
  • Google Cybersecurity Professional Certificate:試験会場の試験はなく、Courseraの月額(アメリカとカナダで49ドル、7日間は無料)で、学びます。Courseraのページは、「週10時間以内で、6か月未満」を目安としています。修了者は、Security+の試験と教材を、割引価格で買えると書かれていますが、割引額は書かれていま⁠せ⁠ん⁠。
  • CompTIA Security+(439ドル):CompTIAの次の段階の資格にも、これを推奨に挙げるものがあります。たとえば、PenTest+の推奨は、Network+とSecurity+、またはそれと同等の知識です。ISC2のCISSPでは、Security+が、必要な経験の1年分の代わりになる資格に挙がってい⁠ま⁠す⁠。

Security+の公式ページが推奨するのは、Network+と、2年の経験です。ただし、これは「推奨」で、必須ではありません。Network+(399ドル)の受験料は、CompTIAのページのデータにあります。A+は、2回の試験に分かれていますが、受験料は確認できていま⁠せ⁠ん⁠。

段階2:実務で⁠広⁠げ⁠る

ここからは、方向が分かれます。順番に決まりはなく、自分の職務に近いものを選ぶ形⁠で⁠す⁠。

  • 守る側(ブルーチーム):CySA+(439ドル)は、SOCや脆弱性分析の職務を想定しています。GIACのGSEC(999ドル)は、再受験が899ドル、延長が479ドルです。SSCP(249ドル)は、1年の経験が条件⁠で⁠す⁠。
  • 攻める側(レッドチーム):PenTest+(439ドル)、TCM SecurityのPNPT(499ドル。教材と、1回の再受験つき)、EC-CouncilのCEH(950〜1,199ドル)があります。INEのeJPTは、公式ページに、受験料が出ていま⁠せ⁠ん⁠。
  • 高額の実技試験:OffSecのOSCP+は、24時間の実技試験です。試験だけで1,699ドルで、教材つきのセットは、1,749ドル(90日、試験1回)です。年額のLearn Oneは、2,749ドルで、試験は2回受けられます(OffSe⁠c⁠)⁠。

CEHの受験料は、EC-Councilの店のページの表示です。ページが古い可能性があります。また、CEHは、受験前に、受験資格の申請が必要⁠で⁠す⁠。

段階3:上級⁠・⁠専⁠門

  • CISSP(749ドル):5年の実務経験が条件です。経験が足りなくても、先に試験に受かれば、「Associate of ISC2」になり、6年のあいだに、経験を満たせば、資格が取れます(ISC2)。2027年4月15日から、試験の出題の範囲が、新しくなり⁠ま⁠す⁠。
  • CISM(会員575ドル、非会員760ドル):ISACAの資格です。試験を先に受けて、あとから経験を示す形が、取れ⁠ま⁠す⁠。
  • SecurityX(544ドル):CompTIAの上級の資格です。推奨は、IT経験10年のうち、セキュリティが5年⁠で⁠す⁠。

学⁠習⁠費⁠用

受験料より、学習費用が、大きく開き⁠ま⁠す⁠。

資格 提供元の教材と費用 無料・低価格の選択肢
Security+(V7) CompTIA CertMaster:Study 149、Practice 209、Learn 599。受験券と練習のセット(再受験つき)は593 Professor Messerの動画は無料(サイトの記載)
CISSP Wileyの公式学習ガイド第10版:紙74、電子59。ISC2の公式講座の価格は、確認できていません —
GSEC SANS SEC401:8,780。GIACの受験は別料金 —
OSCP+ OffSecの講座つきセット1,749、Learn One 2,749(年額) —
CEH EC-Councilの公式トレーニング:1,699から(オンデマンド)、2,499から(ライブ)、3,999から(無制限) —
PNPT 受験券に、45時間以上の教材が含まれる(499) —

CompTIAの教材の価格は、ページに埋め込まれた商品データから読んだものです。画面に表示される価格と、一致するかは、購入の前に、ご確認ください。ISC2の公式講座、INEのeJPT、Udemyの講座は、価格を確認できていま⁠せ⁠ん⁠。

費用の組み立て例(私の⁠算⁠出⁠)

受験料と、上の学習費用を、足しただけの例です。再受験や、維持費は、含みま⁠せ⁠ん⁠。

例 内訳 合計(米ドル)
最小:入門の2つ CC 199 + Security+ 439(学習は、無料の動画) 638
Security+に、練習問題を足す 受験券439 + CertMaster Practice 209 648
同じ内容で、再受験の保証をつける 受験券と再受験の保証579 + Practice 209 788
3段階を、受験料だけで Security+ 439 + CySA+ 439 + CISSP 749 1,627
攻める側 Security+ 439 + PenTest+ 439 + OffSecの講座つきセット1,749 2,627

3段階の例に、CISSPの年会費(135ドル)が、取得のあと、毎年かかります。CompTIAの更新料(150ドル)が、資格ごとにかかるのかは、複数の資格を持つ場合の扱いを、私は確認していま⁠せ⁠ん⁠。

アメリカならでは⁠の⁠制⁠度

国防総省の資格の決まり(DoD 8140):国防総省は、職務ごとに、認める資格を決めています(DoDM 8140.03)。CompTIAは、自社の7つの資格(A+、Network+、Security+、Cloud+、CySA+、PenTest+、SecurityX)が、30の職務で承認されていると説明しています(CompTIA)。ISC2のCISSP、SSCP、CCSPの各ページにも、DoDM 8140.03の表示があります。EC-Councilは、CEHが承認されていると書いています(団体の説明です)。国防総省の公式の一覧は、ログインが必要で、私は確認できていま⁠せ⁠ん⁠。

GI Billによる受験料の払い戻し:GI Billの対象の退役軍人は、資格などの試験の受験料を、1回の試験につき、2,000ドルまで払い戻してもらえます。再受験も対象で、資格の証書そのものの費用は、対象外です(VA)。個々の資格(Security+やCISSPなど)が、対象の試験に入っているかは、私は確認していません。受験の前に、VAの案内で、確かめてください。なお、VET TEC 2.0の対象の分野には、サイバーセキュリティが挙がっておらず、受験料の記載もありません(V⁠A⁠)⁠。

学生の割引:アメリカの4年制(一部は2年制)の学校の学生は、CompTIAの店で、35〜55%の割引を受けられます。SheerIDで学生の身分を確認し、ほかの割引とは、組み合わせられません(CompTI⁠A⁠)⁠。

会社の補助:CompTIAの案内は、「勤務先に確認を」としてい⁠ま⁠す⁠。

価格と版の⁠読⁠み⁠方

  • CompTIAの「再受験の保証つき」は、受験券より140ドル高く(Security+は、439ドルが579ドル)、再受験の1回分が含まれ⁠ま⁠す⁠。
  • ISC2は、受験料だけの場合は1回、保証をつけると、180日以内に2回です。再受験の料金は、公式の価格ページに、載っていません(ISC⁠2⁠)⁠。
  • 版の切り替えが、続きます。Security+のV8は11月17日ごろ、CySA+のV3の英語版は12月22日に終わります(V4は6月23日に開始)、CISSPの出題の範囲は2027年4月15日に新しくなります(各団体の公式ページ)。切り替えの直前や直後は、教材の版と、受験する版を、合わせてくだ⁠さ⁠い⁠。
  • GIACは、公式ページで、価格を予告なく変えることがあると書いてい⁠ま⁠す⁠。

未確⁠認⁠の⁠点

  • CompTIA A+の受験料、Security+ V8の受験料は、確認できていま⁠せ⁠ん⁠。
  • INEのeJPTの現在の価格は、公式ページに出ていま⁠せ⁠ん⁠。
  • ISC2の公式講座の価格と、再受験の料金は、確認できていま⁠せ⁠ん⁠。
  • ISACAの会員の年会費は、公式ページに、価格が表示されていません。会員と非会員の受験料の差は185ドルですが、会費と比べて得かどうかは、判断できま⁠せ⁠ん⁠。
  • OffSecの再受験の料金と、Learn Unlimitedの価格は、確認できていま⁠せ⁠ん⁠。
  • CEHの実技試験の料金と、更新の費用は、確認できていま⁠せ⁠ん⁠。
  • SANSのSEC401以外の講座の価格は、確認していま⁠せ⁠ん⁠。
  • 国防総省の職務ごとの一覧、GI Billの個別の資格の対象の確認は、できていま⁠せ⁠ん⁠。
  • 就職や、年収への効果は、この記事では、調べていま⁠せ⁠ん⁠。

関⁠連⁠記⁠事

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